紡ぐ輪
〜クジャクサボテンの咲く夕に〜


私よりはるかに背高のっぽになった
娘の横顔をちらりと見つめた

沢山のプロマイドが走馬灯のように
目の前に浮んでは消える

クジャクサボテンの咲く夕
まるで幼子の笑顔のような蕾に
ふと立ち止まった

一瞬の間に
過ぎ去った時がくるくると巻き戻され・・・

私はモミジ葉のような手を引いて
夕暮れの道を歩いていた

薄闇にふぁふぁと蛍が飛び交い
蛙の声は雨を告げて騒がしかったね

それはそれは幸せな時間だった

小さな手のぬくもりが蘇り
柔らかな花びらにそっと触れてみる


phot:花訪れのaturinさん