紡ぐ輪
〜高みへ・・・〜


まだ明けやらぬ至仏への山道を
僕は一歩一歩高みへと登った
薄闇の中に残雪は朧に輝いている

やがて燧ケ岳の向こうから
ゆっくりと朝陽が昇り
どこまでも続く湿原のカーテンが
しずやかに開こうとしている

昇る陽は尾瀬ヶ原をオレンジ色に染め上げ
朝の目覚めを促がしているようだ

音の無い世界に佇みながら
刻の立つのも忘れ・・・

いつの頃からかこの大地に心預け
春の気配を待ちわびた

今年もまた幾度となく
僕はこの地に通うことだろう


phot:尾瀬夢幻のアクアさん