紡ぐ輪

   
  〜タカサゴユリ〜


何かに呼ばれたような気がして
木立の中に入ってみると
くっきり浮かんだタカサゴユリの花

目の前で一瞬にして
カラカラと時間が戻され
そこには少女の私が佇んでいた

そっと手を伸ばし花を摘んで
家路に向かったあの頃

うっすらと西の空が焼け
鳥はねぐらへ急ぐ
私は虫の声に送られ野道を急いだ

花は手の中でさやさやと揺れ
甘い香りがしていたね

過ぎ去った刻を
繰り返すことは出来ないけれど
風はあの時の香りを
そっと運んでくれた



phot:「空の青さを見つめていると」のねじっこさん



phot&詩&テキスト:さなえ(花の庵)