紡ぐ輪


     
〜ヒメコザクラ〜


そっと僕の名を
呼ばれたような気がして
仰ぎ見ると

岩の割れ目に小さな花、ポツリ

雪が解けた高い山で
遅い春の訪れを告げる
ヒメコザクラの花

長く厳しい冬を耐えながら
凛と孤高に咲いていた

プティットフルール・・・

時は流れ季節は変わり
幾たびの春が巡っただろうか

首が痛くなるほど見上げながら
僕は面影を重ねた

紡ぎ合う道は違ったけれど
心の奥底に焼きついた
白い横顔・・・・



phot:「山の写真・野の写真」のridge_lineさん

詩&テキスト:さなえ(花の庵)