紡ぐ輪
風走りて
     〜晩秋の渡良瀬遊水地〜


耳を澄ますと・・・・・
風が走る音が聞こえた

振り向くと・・・・・
ススキが原は深まる秋の気配を漂わせ
虫の音もいつしか消えていた

季節はいつの間にか歩みを早め
草紅葉は波の文様を描いている

音が消えた湿原で
ときおり鳥がばたばたと飛び立ち
冷ややかさをました風が頬をなでる

果てしなく広がるススキの波
遠い思いを手繰り寄せ
僕はたたずんだ

いつしか僕の前を通り過ぎた人たち
出会い、そして別れ

あのススキの波の中で
手を振っている・・・・




phot:「自然遊写」の飯塚 薫さん

渡良瀬遊水地シリーズ
茜色の朝に   生ぶ色の季節

詩:さなえ(花の庵