紡ぐ輪
 五月の風   〜藤の花〜


ふわっと吹いた
五月の風に
薄紫のカーテンがそそっと動いたら
懐かしい幻の日々が蘇った

時は巡り巡り
幾つもの季節を通り過ぎながら
私はいつも焦がれていた

澄み渡る空の色
あふれる光の乱舞
萌えいずる緑の芽吹き
生命、動き出す初夏の装い

そんなものに
私はいつも焦がれていた

薄紫のカーテンの向こうには
あの頃の私がいる

いつも夢見ていた
私がいる

      




photo:「野に遊ぶ」のやまぼうしさん

詩&テキスト:さなえ(花の庵)