紡ぐ輪

道しるべ
       
〜ヤマユリ〜

朝霧は音もなく流れ
朝陽に輝く樹木は
うっすらと姿を見せ始める

足元の小さな夏草を
守るかのように
慈しむかのように

山百合の花は
まるで遠い日の父のように
咲いていた
道しるべのように咲いていた

花の香りに誘われて
僕は深い森の中を歩く

見上げた大きな花は
父の面影か・・・・・・

夏草の中に遊ぶとき
幼き僕がいて
若き日の父がいた

山百合香る森の中で
懐かしい日々を漂ってみた


photo「京花だより」cibaさん

詩&テキスト:さなえ(花の庵