紡ぐ輪

紅色の夜明け

月明かりの下
待ち焦がれた夜明けに会いに
僕は急ぎ足で至仏山を登ってきた

尾瀬ヶ原は朝霧に包まれ
燧ケ岳を望む空は
紅色に染まろうとしている

立ち止まると
汗ばんだ身体にひんやりとした
一抹の風が吹き、心地よさを誘う

つかの間、あたり一面を紅色に染め
今日の日が始まろうとしていた

いつの頃からか・・・・・
尾瀬に魅せられ
幾度となく繰り返し、繰り返し
この地を訪れてきた
それでも尚、心奪われる出会いがある

やがて、東の空が明るさを増し
陽が昇りはじめると
尾瀬ヶ原を覆っていた朝霧が
ゆっくりと晴れていき・・・・・

ひと時のドラマに身を置きながら
僕はじっと佇んでいた


photo:「尾瀬夢幻」のアクアさん


詩&テキスト:さなえ(花の庵