紡ぐ輪
あかね色の朝に
   
〜渡良瀬湿原の葦〜

しじまの中で
渡良瀬の朝は
うっすらと葦をあかね色に染めて
明けていった

何処までも広がる葦原は
幾つもの命を守り、育み・・・
季節を紡いでいく

風の音も止み
虫の声も無く
ぴーんと張りつめた空気の中で

僕は自分の顔や手までも
染まりながら
一日の始まりを見つめていた

やがて・・・
いっせいに冬鳥が飛び立ち
湿原にも生命の音が響いてくる




phot:自然遊写の飯塚 薫さん

詩&テキスト:さなえ(花の庵)